君には絶対ハマらない
登場人物の把握
初ボイメンで天啓を得てからというもの、映画「ダブルミンツ」に足しげく通う等、 新米シルバーナイト推しとして楽しく暮らしていました。 関東住みなので、メディアでボイメンに触れる機会はそれほど多くないものの、 YouTubeを漁ったり、その他動画サイトに登録したり、ブログを読んだり、ラジオを聴いたり、 新曲「帆を上げろ!」のリリースイベントに行ってみたり、かなり充実していました。 ふと気づいたらファンクラブに入っていました。
短期間で急速にボイメンの知識を詰め込んだおかげで最初よりもメンバーの特徴が分かるようになり、 「さすがリーダー、背が高くて顔も声も良くて、場を回せて、どこに出しても恥ずかしくないな」とか、 「緑と黄色のマンネライン(末っ子世代のこと)が歌ダンスともに優秀っていうのはお約束だよな」とか、 それぞれに印象を抱くようになりました。
クッ…これが山椒か
食わず嫌いは無い方ですが、本田くんを初めて見たとき、 「小柄な童顔でピンクをあてがわれた子かぁ。守備範囲外だな。」と見送っており、 「おきまりの愛嬌担当とはどうやら別モンらしい」と気付くのに時間がかかってしまいました。
テーマカラーがピンクのベビーフェイスなら、カメラを向けられれば指ハートのひとつでもしてぶりっ子かますはずなのに、本田剛文という男、方言丸出しのべらんめえ口調で威勢良くまあ喋る喋る。頭の回転よりも口の方が速いときもあり、「失言しがちなタイプでは…」と危うさを感じて二度目も見送ることにしました。若干、苦手意識がありました。
初めての接触は、茨城県の土浦で行われたリリイベです。
遅れて会場に着いたため、次の部が始まるまで二階から特典会の様子を見守っていると、一足先に控え室に戻る本田くんが見えました。
本田くん、すぐには戻りませんでした。 舞台横にあるペットショップにひとり吸い込まれ、店員さんに両手をシュッシュと消毒してもらって、子犬と戯れていました。名残惜しそうにショーケースの小動物を眺めて立ち去るまで、終始ファンやスタッフはおらず、ひとりの時間を過ごしていました。
あまりに心癒される光景だったので、 勇気を出して次の部で本田列に行き話題を振ったところ、
「めっちゃ可愛かった!でもあの子らにとっては色んな人に触られるのがストレスだわ」
え、握手会で言う??
君の手を握ってるオタクにそれ言っちゃう???
その手の話題に敏感なオタクなので、 素直に戸惑って変な空気で持ち時間を終えてしまいました。
サブリミナル剛文
こんな形で初の接触にて「口は災いの元田剛文」を引き当ててしまったわけですが、 不思議なことに、それ以降他のリリイベのミニライブでも、 初めて手に入れたDVD「Live 2017 in 武道館」でも、 推しを追う視界にピンクがチラつくのです。
後列にいてもピンク色の残像がのこるほど全身で踊り、汗ビッショリですぐインナーの色が変わり、一瞬切り取られたようなキャッチーな表情をする姿。 その歌舞伎の見得を切るみたいな、バシッときまる顔つきや仕草から放たれる主人公感。 ステージ上の本田くんの存在が徐々に無視できなくなってきました。
さらに、あの過剰なお喋りまでも、息をするように上手いこと言おうとしたり、気の利いた例えを言ったつもりが凝り過ぎててツタワラナかったり、そういうしゃらくさい部分がじわじわと癖になってきました。武道館のFight&Fireで叫んだ「その心は…みなぎるブドウ感(武道館)!!」は最初何のことか分からずポカンでしたが、理解してからはちゃんと作り込んできたことが伝わりました。
アクの強さを飲み込めるようになり、「ダメなところもダメじゃないし、むしろ良い」と思えるようになると、 じたばたしたところで抜け出すことはできません。 結局、桜前線の到来は避けられず、 今では元気に銀色とピンク色の2推しをやっています。