日韓アイドル右往左往

こっちの沼で待ってます

恋のクレイジーロード@アップリンク渋谷

スクリーンに映っているシャベルを振り回すあの男は、私ではないか

 見た目こそドス黒い隈と濃い髭の女装男だけど、人を好きになり、拒絶され、泣いても喚いても相手や世界は自分にはどうにも変えられず、敗れて道端にポイされる、滑稽で惨めで狂ったような姿はいつかの自分を見せられてるように感じました。 田舎の一本道を恐怖のクレイジーロードに変えた殺人鬼は、恋の始まりから終わりという割と身近なテーマをものすごいインパクトとスピードで見せてくれたんだと思います。だからそんな感情移入しやすいキャラクターのあの涙が台本には無かったと聞いたときは、それこそ解釈違いでは!?と思ったし、あるべくしてある涙なんだと主張したいです。

 また、世の中は宙也とすみれのようにうまくピースがはまる者同士ばかりじゃなくて、女装男のように勝手にカッと熱く盛り上がって醜態を晒す場合が恋愛やその他諸々のほとんどなのだから、少々のことは気にしなくていいかもしれないと思えました。すると「赤信号でもレッツラゴーや」はある意味背中を押してくれるようなエールに聞こえます。 あんな風に不躾なほどためらいなく「名前なんていうん?」って聞けたらいいのになぁ。

 久々のブログなのにここまで女装男ばかりで推しについて語れてないんですが、初見の恋クレで見事に女装男に持っていかれ、女装男目線でしか宙也を観れていないので、宙也に関してはただひたすら可愛くて可哀想で羨ましいんですよね。すみれをチラチラ気にする不幸な小動物みたいな姿が特に良かった。でも女装男は宙也の何に目を奪われてあんなに惚れ込んだんだろう。彼と推しポイントを談義してみたい。

舞台挨拶andサイン会

 銀色の学ランを脱いで登場する映画仕事では、いつもよりさらにお行儀よくおとなしい好青年で、芝居を褒められれば青くなったり縮こまったりする一方、 先輩方に果敢に突っ込むトーク仕事もできて、どんな関係者各位やお客さんへもオススメしたい「名古屋から来たボイメンの田中俊介です。

 グッズ購入者は登壇者全員のサインがもらえるというので、舞台挨拶後にパンフレットと可愛いTシャツと缶バッジを手に入れ、 売り場カウンター前のお客さん用ベンチに座ってパンフを開いていました。すると、カウンターとベンチの間の人が一人通れる隙間に 前触れなく登壇者がぞろぞろ入ってきて止まり、そこで次の舞台挨拶まで待機することに気づきました。 パンフから顔をあげると顎が目に入って「田中俊介、下から見るか?横から見るか?」を地でいく現象が起こり、 あっけにとられ逃げ場を失ったベンチ勢へ向けられたドヤ顔に、隣のお客さんはウフフと笑っていたけれど、 私は酷暑とは無関係の脇汗をかくことになりました。パンフの文字を目で追うふりをしながらパンフの下の隙間から見えるオシャレなスニーカーをガン見して、 「最近忙しい?」等の待機中の会話に耳をすませました。

 サイン会も同じ極狭通路で行われ、8人がぎゅうぎゅうに立って順々にサインをしていく中を お客さんがじりじり前進するスタイルでした。進みがゆっくりなので俊さんの前で待機する時間が出来てしまい、 困ったぞと思いながら押し黙って銀色のペンをカタカタ振る推しを眺めました。 他の登壇者へは「珍しいフォーメーションのサイン会ですよね」や「この映画東京に持ってきてくださってありがとうございます」等の 言葉が出るのに、そうはいかないのがただ一人推しでした。

 

 コント番組で見られるアクの強いキャラも、MVで見られる繊細な役どころも、映画で本読みから悩んで悩んで集中して作り上げた役も、俊さんの芝居で全く同じものは一つもありません。その多様さが、新作が告知されるたびにワクワクする「今度はどんな役なんだろう!?」という期待に繋がっていると思います。役づくりで行われるという「自分の中の経験や思いを引っ張り出す」作業で、もしもこの中田宙也という役が参考にされることがあるなら、またどこか別作品の違う役柄で、宙也に会えるのが楽しみです。

ダブルミンツ@虎ノ門

 平日夜、東京虎ノ門ポニーキャニオン本社にて行われた映画「ダブルミンツ」のトークイベントのお話です。

 あまり広くない落ち着いた照明の会場には、高めのミニステージの前に70ほどの椅子が並び、劇中に使われたチェロの音色が重苦しく流れていて、 どこか神妙な面持ちで主役の登場を待ちました。 茶色いセットアップに艶のある赤茶色のレザーシューズ、丸メガネパーマという出で立ちで登場した本日の主役。 黒いカーテンの向こうから出てきたとき、一瞬女の子が来ちゃったかと錯覚するような可愛らしさがあり、一気に場が華やぎました。

 映画「ダブルミンツ」発売記念と銘打ったトークイベントでしたが、市川光央へのアプローチ法やお気に入りのシーンの話題から 俳優・田中俊介の今後まで、幅広く話してくれました。

 田中推しを自称しながらソロイベントも俳優としての俊さんも初で、意外に思うことの連続だったのですが、 まず、こんな饒舌なところを初めて見ました。 ボイメンの兄貴分といえば間合いを見て間合いを見て、本当にここぞというところでしか出てこない腰の重いイメージだったので、表情をくるくる変えながら軽快に淀みなく喋る姿が新鮮でした。あの深夜ラジオでログアウトしたのかと見失いがちな寡黙さは無く、時に冗談を挟みつつ、ヤマやオチのある語り口がとても聞きやすかったです。

 そんな俊さんのもとに集う人たちの空気もまた素敵でした。 芝居への姿勢が語られる時には息を飲んで、撮影当時の笑い話にはあたたかく微笑んで、 近過ぎず離れ過ぎず推しを見守る雰囲気は居心地の良いものでした。

 また、さらに意外だったのが謙虚というより自己評価低すぎなんじゃないかと思うほど控えめな様子です。ボイメンらしいギラギラした貪欲さは見当たらず、 「ゆくゆくは自分で映画を撮りたくないか」の問いには、「いやぁ〜俺バカだから…どうかな…無理だと思います」 と自分を律するように答えていました。

司会がおだてると恐縮して段々小さくなり、プライベートの過ごし方を聞かれても「…まっすぐ家に帰って映画見てるかなぁ」と言葉に詰まったり、バラエティで見る脱ぎたがりな男と同じ人物とは思えませんでした。 どこで言ったか、「光央みたいにちっちぇー男なんすよ」という言葉が耳に残っています。 俊さんが「気の小さい」光央像と似ているかは分かりませんが、何の償いなのか戒めるように自制して、自分を大きく見せないようにするところは以前から感じていました。特典会での起伏の少ない安定感と掴みどころのなさは、こういうストイックな精神性から来るものなのかなと思います。

俳優としての船出

 ダブルミンツに出会わなければ、プロレスラーみたいと言われた自慢の筋肉を削ぎ落として職質されるほど危ない目つきになることも、毎日コメダ珈琲でアイスコーヒーのジョッキ片手にウンウン唸ることも無かった。 完成後、数ヶ月に渡っていろんな劇場で上演され、DVDがレンタルショップに並び、多くの人の知るところとなってもなお、「まだ終わらせない、海を渡りたい」と次々に目標が見えてくることも無かった。 この作品をきっかけに仕事の幅が広がるのはもちろん、おそらくこの先長いであろう俊さんの俳優人生で、幾つになっても立ち帰れる「初心」を手に入れたのかなと思います。

 今後やってみたい役柄の話になったとき、韓国でヒットした「ベテラン」という映画が挙がりました。所謂イケメン俳優のユ・アインが非人道的な悪役を演じて話題になり、韓国アイドルがパロってコントしたりしています。ユ・アインの演技について「今の俺にはとても出来ない」とこぼしていたけれど、えげつないことを平気でやってのける芯から悪人の俊さんの姿も、いつか見てみたいと思うのでした。

 トークイベントの最後、遠慮がちにはにかみながら「これからも付いて来てな…」と言う俊さん。 まさに颯爽と歩み始めたその背中を見失わないように、これからも付いていきたいです。

声ありて・・

想えば声ありてこそ生きて来られた

 本田くんといえばベラベラ長々としたあのお喋りが印象的で、彼の魅力の重要なファクターですが、 そんな最大の武器が使えなくなるという事件が起こりました。

 本田剛文生誕祭から一夜明けた、埼玉県の学祭でのことです。 登場して数曲をこなし、会場があたたまったところでいつもの自己紹介。 「平松賢人で〜す!」から始まり、みんなボイメンらしく威勢良く名乗ってラストが本田くん。

「ぼーいずあんどめんのピンク色、ほんだたかふみです」

ん?何そのトーン。他の人は「27歳脱サラ⭐︎」とか「辻本達規でぃ〜す!!」とか、 テンション高くきめてるのに何だろう新しいキャラ設定か?と違和感を覚えたところで、 間髪入れずにメンバーからアナウンス。

「彼、喉やっちゃってます」「今日は声が出なくなってます」

本田「僕のファンの人は気付いたかもしれんけど、ここまでソロパートがありません」

確かに。 それに小林田村辻本のポンコツ3と本田平松のハッピーセットで計5人のこの布陣なら、 本田くんがさばいて仕切ってまとめて、俺の腕を見やがれといわんばかりのそういう生き生きしたところが見られるはずで、 それを楽しみに来たんだった。 だけどさっきから回しはゆーちゃむがメイン。

 メンバーから「お前何しに来たんだよー」のいじりや 「今日はダンス頑張るもんねー」のフォローを受けながらも、 あまりに痛々しい推しの様子につい真顔になり、野外イベでも色がわかるようにピンクのカラーセロファンを仕込んできたペンライトは下がり気味に。 そんな本田推し勢の表情を読み取ってか、賢ちゃんが「今日はこんな本ちゃんを笑ってあげてください!」と明るい方向へ消化しようとしていて、偉い…これが偉松…とありがたく思いました。

傷だらけでも生きられると

 声を失った人魚姫は、いつも以上にダイナミックにエビぞって汗をかき、心なしか丁寧にファンにアイコンタクトし、 客席に降りた際には一人一人時間をかけてハイタッチして回っていた気がします。

 手負いの獅子や翼の折れた天使みたいな、そんなカッコ良いものじゃなかったかもしれませんが、 シャカリキ感が一層かわいそうに見えて美しく感じました。

 ゆーちゃむの回しは安定感があって意外なところで最年長を感じて良かったものの、 田村・辻本のわちゃわちゃをスムーズに回収するには強引さが足りず、 「あぁ〜ここは本田くんの毒で制するところ!ゆーちゃむは自由気ままに遊んでていいところ!」 と、いつものボイメンらしさを求めてしまいました。 曲パートの割り振りだけでなく、トークの回転にも本田くん(寡黙Ver.)が影響した結果でした。

 ライブ後の特典会は予定を変更して2回とも本田列に並ぶことにし、 物販で受け取ったCDがこれです。

疾走感と和のテイストが格好良くライブで盛り上がるこの曲は、本田くんが自分で掴み取った栄光です。 芝居がかった本田くんに「いい男〜⭐︎」と叫ぶ曲だと思っています。 ジャケット写真の魔物に素手で立ち向かう小さなボイメンと、満足に喋れないながらステージを全うした本田くんの勇姿が重なり、 なんだかわからないしんみりした気持ちになりました。

 特典会で聞いたところ、風邪ではなく、体は元気なのに喉だけがやられている状態らしく、 「昨日頑張りすぎちゃった笑」とケロッとしていました。 推しの元気が自分の元気」を掲げるオタクとしては落ち込む寸前だったのですが、 次の現場で何事もなくしゃべくり倒す推しを見ると今日のことが笑い話になるのは確実で、 根気強くまた会いに来ようと思うのでした。

 ゆーちゃむが言っていたように、ライブだからこそ色んなことがあるし、 メンバー同士がとっさにフォローし合ってハプニングにうまく対処する姿を見ることもできる。 本田剛文、25歳で最初の試練かもしれない1日のお話でした。

辻本達規さんのイメージビデオ

 前のめりなボイメンの中でもとくに猪突猛進で、共演した芸人さんからはうるさいだの苦手なタイプだの散々言われがちな賑やかし隊長の辻本達規さん。 そんな彼の代表作にして、グループで最も長く続いているシリーズをご存知だろうか。

そう、みんな大好きボイメン体操です。

極めて低予算で素朴な構成のこの番組こそ、つーじーの魅力を語るうえで欠かすことが出来ません。 いつもは歌やダンスの上手下手、トークが面白いかどうかの土俵で勝負してるけど、体操のお兄さんという世界において快活さや運動神経では誰も敵わないから、 ボイメン体操は辻ちゃんが主人公と言い切っていいと思います。 とにかく評価のものさしが圧倒的に辻ちゃんに有利。辻ちゃんの独壇場。 中央に鎮座する主役としての赤色は、子どもにとって当然憧れの存在だし、我々大きいお友達も子どもと同じ目線で「かっけぇ…」ってなります。

 勝くんにいじられて「おい言うなて〜」とニコニコしてるちょっと情けない”つーじー”も大好きだけど、 子どもたちを率いて身体をはって遊ぶお兄さんや、目線を合わせて穏やかな口調でお話するお兄さんは、やっぱり別格。 いつもの飛び道具的な賑やかし担当ではなく、地に足のついた頼れるリーダーとしての姿が新鮮です。 「ひとつだけお約束!遊具や道具にぶつからないように遊ぶんだよ。」の丁寧な言い方や言葉選びが優しくて、もしボイメンじゃなかったらなっていたかもしれない「教師」の姿が垣間見えます。 かと思えば遊具で童心に返って、5歳児たつのりくんになってしまうことも。振り幅がすごい。

 体操のお兄さんでこそないものの、学生時代に子どもと遊んだり一緒に給食を食べたり、同じような活動をしていたことがあるので懐かしさを感じながら見ています。アクセサリー類は付けないとか、乱暴な言葉は使わないとか、名前を覚えてもらいやすいように大人同士「タムタム」「まーぼー」と意識して名前で呼び合うとか、子どもと接するうえで色んなルールがあったことを思い出しました。

 ボイメン体操のゆるゆるダラダラな進行と体操のお兄さんの癒し力が夜に垂れ流すのに丁度よくて、 過去作品も少しずつ集めてるんですが、これまで見た中ではダントツで6がオススメです。

1段高いところに腰掛けて周りをぐるっと園児に囲まれたゆーちゃむと、壇の下に立った辻ちゃんが向かい合って喋ってるシーンを夜な夜なリピートしています。

サウンドオブミュージックのヒロインばりに母性あるゆーちゃむと悪戯で男っぽい辻ちゃんの対峙は、どこか象徴的で惹かれるものがあります。 園児を巻き込んで互いを弄り、結果ゆーちゃむが頰を膨らませる様子が妙に甘酸っぱくて、大家族の長女vs長男のようにも、幼馴染みのチアリーダーと野球部のキャプテンのようにも見えますが、ぴったり当てはまる表現が見つかりません。 また、子どもの遊びといってもがっつり運動神経が問われるので、出来る辻本・出来ない小林の組み合わせが愉快です。

 今後はピンクも加わって大所帯になりますが、赤色のお兄さんのますますの活躍が、 8巻目9巻目に引き継ぎ収められることを期待しています。

ライブでなにする?

 

 これまでアイドルの類を追う中、歌やダンスを直に鑑賞できるライブという場がとくに好きで、サイン会や握手会だけのリリイベよりもミニライブ有りのリリイベ、ゲームやってワーキャーするファンミーティングよりもがっつり単独コンサート、と選り好みしながらやってきました。

 

 韓国アイドルのパフォーマンスは大抵「応援法」といわれる掛け声が公式から提案されてるんですが、なかなかメンバーのフルネームを早口で言えなかったり、韓国語の合いの手を覚えられなかったり、声を出す参加に関しては苦戦してきました。

声は出せなくてもこれ振っときゃ間違いないだろうと、グループごとにやたらデカくてゴツい鈍器のようなペンライト薔薇とかラッパとか王冠とか、モチーフが可愛いんです)を収集したり、スマホの電光掲示板アプリで推しの名前を光らせたり、撮影可能なときは一眼に長いレンズを付けてみたり、そうでないときは双眼鏡で野鳥の会をするのが定番でした。

 

 

 ボイメンの場合

 六本木サマーステーションの日、通勤カバンの底にどのご家庭にもあるキンブレを2本しのばせて会場に向かいました。ボイメンの現場の様子がよくわからなくても、推し色の棒をリズムに合わせて振っておけばその場をしのげるだろうという考えでした。

  初ライブで印象に残ったことはズバリ「お客さんも出演者」ということです。

 まず、リリイベでもライブでも毎回かかるオープニングテーマ。最初は「やんきーふぁーい!まことー!ぼーいざんめーん!」が聞き取れず、なんか2回言った気がしたし何なんだろうと不思議でしたが、聞き慣れた今では無くてはならない客席の気合い入れという認識です。

 

 そして、楽曲はお客さんの掛け声があって完成するものだと知りました。実際、ライブの帰り道にイヤフォンで聴くとなんとなく物足りず、ヤングマン〜B.M.C.A.〜はお客さんの気合が入った「ハイハイハイ!」が脳内で挿入され、帆を上げろ!も空気がビリビリするほど全力の「10人!」「無限大!」で再生されます。

 

 また、"踊ってもいい"応援スタイルは新鮮でした。言い換えれば"踊れる"振り付けのおかげであり、キャッチーで分かりやすい動きは、頭と身体が接続していないくらいセンスの無い私でも気軽に真似て楽しむことができます。よく一糸乱れぬペンラさばきを見て訓練されたオタクって言ったりしますが、ある程度秩序だった動作が一体感を作って、ライブの熱気を生むんじゃないかと思います。

 

 

合同イベントでの強さ

 これまで書いたようなライブの参加方法が真価を発揮するのは、何より合同イベントだと思っています。

 あいらぶー!」「ゆーらぶー!」

ボイメンでー!」「検索ー!」

毎度お約束のコール&レスポンスは会場に散らばったボイメンファンを一瞬で炙り出し、ボイメンを応援する者同士の仲間意識を強くします。ファン以外置いてけぼりにしそうなこの応酬は、「僕たちはボイメンです」「はい、私たちはそのファンです」という周りへの自己紹介の効果もあると思います。(スーパージュニアの挨拶を思い出しています)

 

 掛け声、振り付け、コール&レスポンスを通じてファンも仕掛人になることで、ステージに立っている人数以上の力が発揮され、場の空気を作っていく。その空気に惹かれた既存ファン以外の方を取りこぼすまいと、新規獲得に余念のないボイメン。不安や必死さから来る熱量が、ファンだけの会場と合同イベントでは違うと感じました。

「ボイメンの合同は行くべき」

関東住みで現場を選びがちではあるものの、恵比寿の小さなライブハウスで行われたTHE ARTIST BOX LIVE vol.2 の帰りに、これだけはしっかりと肝に命じました。

 

 以上、ボイメンのライブで味わった高揚感を言葉で説明しようという試みでした。足腰に自信がない今日この頃、野鳥の会スタイルからペンラ両手持ちスタイルに突如転換して戸惑いはありますが、次の現場を指折り数えて待っています。

 

 

ボイザニアにて

東京ボイザニアの話です。

ビジネスマン姿のボイメンと写真が撮れるということで、休日だというのに仕事用のスーツを着込んで会場に向かい、 早目に入場手続きを終えて本田列に並びました。

スーツ姿でビシッときめて登場するボイメン。颯爽と目の前を横切る勇翔くんは整い過ぎていて紳士服の広告みたい。 やっと登場する本田列の主役。

……あれ??

 登場と同時に気づきました。 濃紺スーツの太ももあたりに割とデカめの糸くずが付いてます。本田くんの視界の死角になる位置ではなく、姿見が無くてもすぐ気がつくような糸くず。

周りのメンバーも撮影するスタッフも誰も指摘しないまま、お客さんとの撮影が進んでいきました。

おいおいこちとら君と写真撮るために出来るだけ服に皺が付かないように気遣いながら待機して、直前まで鏡とにらめっこだよ。 主役!身だしなみ!

若干の不信感を抱いたまま撮影を終え、帰りながらある光景がフラッシュバックしました。

これとか、

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これとか。

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顔についたごみをメンバーに取ってもらっています。

本番前にちょっと確認すればいいだけなのに、そのまま付けて来ちゃって世話を焼かれちゃう。

 そういえば、本田くんってボイメンデビュー前は雑巾みたいなタオルを首に掛けてたり、現在でも時間がなくて頭をビシャビシャに濡らしたまま出勤してダメ出しされたり、そういう人だった。ファッション難民で服屋でマネキン買いしたり、店員さんに勧められるがままコレ着ておけばおしゃれっぽくなるだろうと無難な紺ジャケット買う人だった。

ボクサーパンツを裏表逆に履いても気づかないほど服装に意識が向かないのなら、スーツに糸くずくらい無理ありません。そう考えると、無頓着な本田くんらしさの表れのような気がしてきて、一転して良いものを目撃した気持ちになりました。

 喋りやパフォーマンスでキラキラ輝く本田くん、身だしなみに構わない意外なギャップを是非そのままにして欲しいなと思うのでした。めでたしめでたし。

君には絶対ハマらない

登場人物の把握

 初ボイメンで天啓を得てからというもの、映画「ダブルミンツ」に足しげく通う等、 新米シルバーナイト推しとして楽しく暮らしていました。 関東住みなので、メディアでボイメンに触れる機会はそれほど多くないものの、 YouTubeを漁ったり、その他動画サイトに登録したり、ブログを読んだり、ラジオを聴いたり、 新曲「帆を上げろ!」のリリースイベントに行ってみたり、かなり充実していました。 ふと気づいたらファンクラブに入っていました。

 短期間で急速にボイメンの知識を詰め込んだおかげで最初よりもメンバーの特徴が分かるようになり、 「さすがリーダー、背が高くて顔も声も良くて、場を回せて、どこに出しても恥ずかしくないな」とか、 「緑と黄色のマンネライン(末っ子世代のこと)が歌ダンスともに優秀っていうのはお約束だよな」とか、 それぞれに印象を抱くようになりました。

 

クッ…これが山椒か

 食わず嫌いは無い方ですが、本田くんを初めて見たとき、 「小柄な童顔でピンクをあてがわれた子かぁ。守備範囲外だな。」と見送っており、 「おきまりの愛嬌担当とはどうやら別モンらしい」と気付くのに時間がかかってしまいました。

  テーマカラーがピンクのベビーフェイスなら、カメラを向けられれば指ハートのひとつでもしてぶりっ子かますはずなのに、本田剛文という男、方言丸出しのべらんめえ口調で威勢良くまあ喋る喋る。頭の回転よりも口の方が速いときもあり、「失言しがちなタイプでは…」と危うさを感じて二度目も見送ることにしました。若干、苦手意識がありました。

 初めての接触は、茨城県の土浦で行われたリリイベです。

遅れて会場に着いたため、次の部が始まるまで二階から特典会の様子を見守っていると、一足先に控え室に戻る本田くんが見えました。

本田くん、すぐには戻りませんでした。 舞台横にあるペットショップにひとり吸い込まれ、店員さんに両手をシュッシュと消毒してもらって、子犬と戯れていました。名残惜しそうにショーケースの小動物を眺めて立ち去るまで、終始ファンやスタッフはおらず、ひとりの時間を過ごしていました。

あまりに心癒される光景だったので、 勇気を出して次の部で本田列に行き話題を振ったところ、

「めっちゃ可愛かった!でもあの子らにとっては色んな人に触られるのがストレスだわ

え、握手会で言う??

君の手を握ってるオタクにそれ言っちゃう???

その手の話題に敏感なオタクなので、 素直に戸惑って変な空気で持ち時間を終えてしまいました。

サブリミナル剛文

 こんな形で初の接触にて「口は災いの元田剛文」を引き当ててしまったわけですが、 不思議なことに、それ以降他のリリイベのミニライブでも、 初めて手に入れたDVD「Live 2017 in 武道館」でも、 推しを追う視界にピンクがチラつくのです。

後列にいてもピンク色の残像がのこるほど全身で踊り、汗ビッショリですぐインナーの色が変わり、一瞬切り取られたようなキャッチーな表情をする姿。 その歌舞伎の見得を切るみたいな、バシッときまる顔つきや仕草から放たれる主人公感。 ステージ上の本田くんの存在が徐々に無視できなくなってきました。

 さらに、あの過剰なお喋りまでも、息をするように上手いこと言おうとしたり、気の利いた例えを言ったつもりが凝り過ぎててツタワラナかったり、そういうしゃらくさい部分がじわじわと癖になってきました。武道館のFight&Fireで叫んだ「その心は…みなぎるブドウ感(武道館)!!」は最初何のことか分からずポカンでしたが、理解してからはちゃんと作り込んできたことが伝わりました。

 アクの強さを飲み込めるようになり、「ダメなところもダメじゃないし、むしろ良い」と思えるようになると、 じたばたしたところで抜け出すことはできません。 結局、桜前線の到来は避けられず、 今では元気に銀色とピンク色の2推しをやっています。